本日もお越しいただき、ありがとうございます。
昨日まで拍手御礼で類つくのお話でした。私にしては甘め。でも分量的にサクっと妄想、サクサクっと書けました。お付き合い下さった方、ありがとうございました。
つかつくしか読みません、という方には大変失礼致しました。
昨日夕方時点で、表拍手が6.2万、裏拍手が4.1万でした。
裏拍手のピンクボタンなんて最後に貼ったの一ヶ月以上前なのに。それでも毎日ポチッとしてくださる方がいらっしゃいます。
最近来て下るようになった方でしょうか?
思い出して来てくださった方でしょうか?
どちらにせよ、本当にありがとうございます。
お盆時期、通勤電車空いてて嬉しいです。
会社も幹部不在で普段よりはのんびりモードになっています。
ブログの方、お盆も夏休みも平常運転と行きたいところですが、さて…そろそろ頭の中をつかつくに切り替えないと…です。
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夜明け前、道明寺が目を覚ました。
微かに睫毛が揺れ、眉根が微かに動き…あっとあたしが顔を覗き込むと、パチリと目が開いた。
まるでスイッチが入ったかのような目覚め方で、あたしは心構えがないままに、その瞬間を迎えてしまった。
それでも、さすがに直ぐに焦点は合わず…開かれた瞳は感情無く真っ直ぐに天井に向かい、それからじわじわと目に生気の光が戻って行く。
その様子に目を離せず、瞬きもせずに間近で見つめていた私は、結果として道明寺と見つめ合うことになった。
道明寺は、あたしの存在に幾分驚いたように目を見開いた。
ちょうど病室には西門さんとあたしが付き添っていたのだけど。
道明寺は、意識がはっきりした後に、視線を彷徨わせ、西門さんを見つけるなり、掠れる声でなんで総二郎と二人なんだよ、と不機嫌に唸った。
一瞬何するべきか分からずにいたあたしは、我に返り慌ててナースコールを押す。
たどたどしい英語で、患者が目覚めたと告げると、すぐに行くと応答がある。
そうするうちに、医師が看護師を連れて病室に入ってくるのと入れ違いに、あたし達はカーテンの向こうへ移動するよう指示された。
ぽん、と肩を叩かれた。
振り仰げば、西門さんがあたしを優しく見下ろしてた。
「良かったな。」
うん。良かった。
「お前、大丈夫か?」
泣きそうだぞ、と女子の扱いには天下一品のこの人が、あたしの目尻に触れそうなほどに手を伸ばして。
「お前の祈りが届いたんだよ。」
あまりに優しく言われて、涙腺が決壊した。
「良かった…目、覚ました…」
あたしがそれだけをなんとか絞り出せば、ん、と肩を抱き寄せられる。
「良かったな。あいつは不死身だから、お前残して万が一なんてこたぁないから。
これからも、だ。だから、安心しとけ。」
相変わらず適当なこの人は、なんの根拠もなくそんな風に嘯く。
だけどそれは、言霊のようにあたしを優しく包んでくれるようだった。
「お前ら、何話してんだ!牧野、早くこっちこい!」
ガツっと物が床に当たる音がして。
慌ててベッドの方に行けば、すでに診断は終わり、安静に。患者さんを興奮させないでと注意を受ける。
道明寺は、憤懣やるかたないとばかりに寝たままでこっちをギロッと見る。
枕元にあった飲み物を床に投げつけたみたいだった。
「だから、なんで総二郎と二人でいんだよ。」
思わず、西門さんと顔を見合わせてしまう。
このバカはこんな状況で生意気にも拗ねているらしい。
「目覚めたばかりのせいか、事件の影響か…自己制御が低下し、やや怒りっぽくなっているようですね…」
医師があたし達にだけ聞こえるように話すのに、いや、それ元々なんで…と言いたくなる。
病院から道明寺家の方に連絡を入れてくれるということなので、お願いする。
医師と看護師を入口まで見送って戻れば、西門さんが、早々に野獣の咆哮が聞けて嬉しいと腕で目を覆い、泣く真似をしているとこだった。
良かった、牧野つくしに関する記憶は間違いなく満タンだ。ついでに愛も欲望も満タンだから、つくしちゃん、飢えた野獣の腹を満たしてやってやれ、と散々茶化して帰って行った。
後であきらと類と来る、とあたしに囁いて。
この人流の気の遣い方だ。
西門さんが出て行ってから、二人になって。
思わずあたしは黙り込んでしまう。
「まだ力はいんねぇから、お前がここ、来い。」
寝たままでぽん、とベッドを叩くから、あたしはジリジリと近寄る。
「なんでそんな変な動きしてんの?」
あんたの甘さの乗った声に動揺して、など言えるわけもなく。
「…なんとなく?」
「相変わらず変な女。」
ブッと道明寺が笑う。
さっきまで青白い顔でピクリとも動かなかったのに。
あまりにいつもの道明寺であたしは嬉しくなる。
ベッドの横に行けば、道明寺はふう、と大きく息を吐き、あたしの手を取る。
「俺、どのくらい寝てた?」
さっき、この手に触れながら泣いていたのだと思えば、胸が熱くなる。