FC2ブログ

記事一覧

あなたがいれば_04



類が道明寺に連絡してくれていたらしく、マンションに着いてコンシェルジュに声を掛ければ、身分確認の後でプライベートエレベーターまで案内してくれる。
聞きかじりだと、道明寺はまだ帰っていないようだった。まあ、夜とはいえ、まだ宵の口だ。仕事から戻ってなくても、当然か。
ドキドキの乙女心は、水を掛けられたようにしゅう、と萎む。



三人は何度か来たことがあるのか、勝手知ったるの様子だけど、あたしはえらく広くて豪奢なエントランスや映画に出てくるみたいな素晴らしく素敵なインテリアに思わずきょろきょろしてしまう。



「おいおい、落ち着け。田舎もん丸出しだぞ?」
西門さんが恥ずかしそうにあたしの肩を抱き、耳元で囁く。
「一緒にいる俺のが恥ずかしいから、頼むからじっとしててくれ・・」
「悪かったわね!」
乱暴にその腕を外す。



そんな日本語のやりとりをコンシェルジュのお兄さんはどの程度理解しているのか分からないけれど、あたしに大丈夫ですよ、という風に優しくにっこり微笑みかけてくれる。



「これ、絶対小学生ぐらいに思われてるぜ?」
「確かに。間違いねーな。」
「仕方ないよ、牧野だから。」
「ちょっと、あんたたち、黙れ!ほんとにムカつく!」
ぷんと膨れれば、それがガキ臭いんだと西門さんに頬をつねられる。
やーめーろー!!



私達のやり取りには気に介した気配を全く見せず、恭しく礼をするお兄さんに見送られながら箱に乗り込む。
プライベートエレベーターだけに、すぐに最上階に到達した。高速なのに、耳がツンとしなくてまた流石だと思う。



「司には連絡したのか?」
「それが繋がんないんだよね。秘書にも。」
美作さんの問いに類が首をひねる。
「俺らが乗る便は知らせたし、分かってるはずなんだけど。でも空港には迎えが来てなかっただろう?
まあ、こうやってコンシェルジュには話が入ってるから、待ってろってことじゃない?」



類と話しながら、コンシェルジュで預かったカードキーを美作さんが扉の横のスマホ程の小さな液晶画面にかざし、更にパスワードを打ち込む。



すごいセキュリティだと感心しながら、この夢のような豪華なマンションにも圧倒されて…ほんとにあいつはスーパー富裕層なんだと驚く。この最上階だって、この広さで道明寺の部屋しかないとか、ほんと信じられない。
空港のラウンジをものすごくラグジュアリーだなんて思っていたけど、こちらのがしつらえも調度品も何倍も上質なのが明らかだった。
もうあいつのことで驚くことなどないと思っていても、そんなことなくて。
その度にあたしの生きる世界とは違いすぎて、少しだけ不安になる。



「牧野は今日はここでゆっくりしてな。多分夜には司も戻るよ。
明日になっても司が帰ってこなければ、俺がどこか連れて行ってあげる。」



「え?みんなどっか行っちゃうの?」
こんな場所で一人かと慌てて確認すれば、類が頷く。
「ごめん、司と二人がいいと思って、俺予定入れちゃったんだよね。総二郎とあきらは?」
「牧野一人じゃ不安だろ、いいぜ、俺が残っ・・・・」
そう言いながら、解錠された玄関扉を開けかけた西門さんの言葉が止まる。



瞬間西門さんの顔色が変わり、慌てたようにバタンと乱暴に扉が閉められるのを見て、思わず美作さんと顔を見合す。
「どうした?」
「どうしたの?」
あまりに尋常じゃない様子に同時に問えば、西門さんが押さえた扉の向こう側から、ガチャガチャドンドンと扉を開けようとする音がする。そして、女性の声が微かに聞こえた。



え?誰かいる…?



西門さんが舌打ちを一つしてから、一番近くにいた美作さんに離れろと目で合図してから、扉のハンドルから手を放す。
途端に勢いよく扉が開き、そこから女性がすごい形相で飛び出して来た。



ブルネットだ。と思った瞬間、西門さんが後ろに飛びずさり、あたしの身体を強く引き寄せる。
あたしは何が起きてるのか全く理解が付いて行かず、されるままになっていた。



いつもありがとうございます。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村

関連記事

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: タイトルなし

さ**さま

おはようございます。

不穏な女登場ですが、違いますよー!
ご安心ください、今回は浮気も不倫もありません!
テーマは純愛です❤️

コメントありがとうございます。

Re: タイトルなし

悠*様

おはようございます。
コメントありがとうございます。

ほんと、嵐を呼びますね。
本人は波瀾万丈望んでないのに…(笑)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

0004

Author:0004
はじめまして。
お立ち寄り頂きありがとうございます。