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記事一覧

舞台裏_22

昔の奥様に似ている、との言葉は私に衝撃を与えた。もしかしてあの眼差しは、私に向けられたものではなかったのだろうか…そんなことが過り、頭の芯がジンとした。真っ白になって、考える事を放棄したいと思うのに、こんな時でも、私の脳は考えることをやめない。心臓がまたドキドキと煩いぐらいに鼓動を始める。そんな私には斟酌せず、美作氏が笑いを収め、至極真面目に言い放つ。「君に会って分かった。君と類はやってない。」や...

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舞台裏_21

「俺を恨む?」そんな風に言われて。「まさか。自業自得だと自覚していますし、むしろ気にかけて頂き…感謝しています。」本心だった。私にはお二人のその後を知る術がなかったから。美作氏との面会の機会は、またとないチャンスだった。「部外者である私が、ボスや奥様の気持ちを確かめるだなんて、不遜で差し出がましい行為でした。私は自分の感情を優先して、人として、やってはいけないことしてしまいました。」懺悔の言葉と共...

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更新時間のこと

おはようございます。本日もお越し頂きありがとうございます。相変わらず更新時間が安定せず、申し訳ありません。職場が代わったことなどから、何時がいいのか決めあぐねているところで、色々試しの意味もあり、アレコレしてみています。一番の変化は通勤の際、座れなくなったことでしょうか。今までは行きも帰りもほぼ座れていまして。座れなくとも、安定した位置(吊革に掴まれて、押されたりしない)をキープ出来てましたが、新...

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舞台裏_20

目の前の端正な顔は、ひどく冷淡に見える。笑顔で迎えてくれ、先程まで優しく話を聞いてくれた人と同一人物とは思えなかった。ーー本気で言ってるんだ。当たり前だ。多忙な人なのだから。わざわざこんな凝ったシチュエーションを仕立てて冗談など言うわけがない。「道明寺からも誘いを受けましたが、到底飲める条件ではありませんでした。それとは違うと判断してよろしいのでしょうか?」 糾弾され、断罪されたいと願ってはいたが...

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舞台裏_19

「条件って…」「簡単だよ。二度と牧野の気持ちをかき乱すようなことをするな。」厳しく言い渡せば、そんなつもりありません、と小さくつぶやいて項垂れる。素直で結構。「なら、まずはパリから離れてもらいたい。君の処遇はウチで預かる。東南アジア、中東、北米、南米、どこがいい?類とは絡まないエリアだから、好きに選んでいいよ。」そう続けると、流石にショックを受けた様子だった。類がこの子に対して抱いた感情は、危うい...

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舞台裏_18

さて、どうしてくれようかと考える。年下のかわい子ちゃんを甚振(いたぶ)る趣味などないけれど。司にこの子から手を引く条件として、きちんと躾しておけ、と要求されていた。目の前の彼女は、充分に自分の行動を悔やみ、罰を受けたくて苦しんでるように見える。けれど、経験値が足りないせいで、起きた事実だけにフォーカスして、それに至る牧野や類の苦しみには無頓着だ。気は進まない。しかし司じゃないが、白黒付けておきたい...

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舞台裏_17

責めて欲しかった。お前のせいだ、と。自分の安易な考えが原因で生じさせてしまった顛末に、どうしたらいいか分からず、ただただ動揺した。 レオンを見るたびに、胸が苦しくなった。産後間もない身体で、まだ小さなお子様を連れて家を出るだなんて、どれほどの覚悟だったのだろうかと思えば、何故あんな風に奥様を非難してしまったのかと自分の軽率さに自責の念を覚え、押し潰されそうだった。私は、皆の信頼を裏切ってしまったの...

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舞台裏_16

「君のした意地悪ってのは、旅行のことだろ?それがあいつらには痛恨の一撃になった。そう言う意味では、大成功?溜飲が下がった?」わざと偽悪的な態度でそう言えば、「そんなことありません!ここまで大事になるとは思っていませんでした。あの時は感情的になって、浅はかな行動をした上、挙句にボスを煽るようなことを口にしてしまい…ずっと後悔してました。」何度も首を横に振り、唇を噛みしめ、それでも堪えきれない様子の後...

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舞台裏_15

想像していたのと違うな、と言うのが感想だった。彼女を調べさせたレポートから、俺はもう少し実年齢より大人で強かな女をイメージしてた。けど、全然子供じゃねーか。容姿と頭と中身が全部アンバランスなんだな。なまじ高いIQと生育環境のせいで、知識はあるけど、経験はなく。けれど想像でそれを補う賢さはある。改めて目の前の彼女を見遣る。仕事で見かける時にはいつもまとめられていたブロンドの髪は、今日は下ろされ、顔の...

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舞台裏_14

「私はボスに好きだとお伝えしました。秘書としてでいいから、側に置いて欲しいと。それに対して、愛してるのは奥様だけで、私を秘書に置いておくのは、リスクだと。奥様を傷付けたくないからダメだと仰りました。」そうだ。徹頭徹尾、ボスの一番は奥様だった。「それで?」「その時はそれだけです。」「君は納得したの?」「納得したか…と言われると難しいですが、私を近くに置いておくことが出来ないということは理解出来ました...

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