FC2ブログ

記事一覧

落花流水_プロローグ

波瀾万丈だったのは高校生時代。これからは平和で穏やかな未来が待ってると、当たり前のように思ってた。だけど、今のあたしの置かれた状態は最悪だ。追い詰められた状況は絶望的で。明らかに非常事態だった。そうして…どんな理由にせよ、あたしはその手を掴んだ。ーーー彼を裏切る行為だと分かっていて。...

続きを読む

落花流水_01

side司ちょうど上海にいる時だった。現地企業との提携調印を終え、その後の接待は断りホテルに戻ったところで連絡を受けた。花沢が動き、牧野が病院に監禁された模様だと。そう報告を受け、どういうことだ?と思い、日本にいる三条に連絡を入れた。「道明寺さん!?先輩が帰ってこないんです!先輩を助けてください!!」叫ぶ声に自然と眉を顰める。心当たりはなくはなかった。万が一を考え、警戒していたのだから。「ーー類のお袋...

続きを読む

落花流水_02

深く、深く深く後悔した。彼女を忘れたことを。日本を離れたことを。記憶を取り戻す努力をしなかったことを。懐かしく、うっとりするほどに甘美な想いの後に訪れたのは、深い後悔。そして、激しい怒り。あの時の俺は最低だった。あんなにも、皆がもどかしげに俺を見ていたのに、うるさいと切り捨て、全てを振り切ったのだから。唸りたくなるほどの憤りが込み上げ。気持ちが収まらぬまま、秘書に噛み付くように日本行きを命じた。会...

続きを読む

落花流水_03

俺が日本を出てからも、会うといつも何か言いたそうにしていた類達に、うっとおしく感じた俺は、あの女のことなら、知らない。興味もないと突っぱねたことがあった。ため息をつきながら、「分かった。だけど、後で文句言わないでよね。記憶がなかったから。なんて言い訳は、俺は受付けないよ?」そう言った類は、以前よりもずっと男らしく強い目をしていた。あれ以来、類もあきらも総二郎も、申し合わせたように牧野の名前を出すこ...

続きを読む

落花流水_04

結局類と直接話すことは叶わず、中東方面に行っているらしい、との情報は掴めたが、真偽のほどは分からなかった。ただ、このまま待っていても、類が牧野を助けに来ることはあり得ない状況だった。この時点では、まだ返すつもりでいた。何の手を打たぬままに牧野の側を離れた類の迂闊さに腹を立てはしたものの、報告書の通りなら、類にとっても想定外のことに違いない。上海と日本は近いとは言え、病院が見えた時、これでいつでも駆...

続きを読む

プロフィール

0004

Author:0004
はじめまして。
お立ち寄り頂きありがとうございます。